40代の転職活動において、最初の、そして最大の壁。 それは、職務経歴書でも、面接でもありません。
愛する妻、家族からの反対です。
長年勤めた会社を辞めるという決断は、自分一人の人生を揺るがすだけでなく、家族全員の未来を乗せた船の、舵を大きく切る行為に他なりません。 だからこそ、怖い。切り出せない。 あなたのその気持ち、痛いほど分かります。
なぜ、あなたの「転職したい」は受け入れられないのか?
あなたが勇気を振り絞って「転職しようと思うんだ」と切り出した時、返ってくる言葉は、残念ながら想像がついてしまうでしょう。
「なんで!?意味が分からない」 「家のローンはどうするの!?子供たちの教育費は!?」 「今さら?そんなことしてる場合じゃないでしょ!」
なぜ、こうも簡単に一蹴されてしまうのか。 それは、あなたの挑戦を応援したくないからではありません。妻にとって、あなたの「転職」という言葉は、「希望」ではなく、「将来の不安を増やす、新たなリスク」にしか聞こえないからです。
家族を「最強の味方」に変える3つの準備と伝え方
感情的に想いをぶつけるのは最善手ではありません。夫である私たちがすべきは、入念な準備に基づいた、冷静な「提案」と「相談」です。
まず、自分一人で「選択肢」という武器を手に入れる
妻に話を切り出す前に、まずあなた一人の力で、客観的な情報を集めましょう。現在の転職サイトや転職エージェントは、無料で登録し、情報収集するだけの「偵察活動」が賢い使い方です。まずは1〜2社に登録し、「あなたの現在の市場価値」「具体的な求人票」「専門家による客観的な評価」という3つの武器を手に入れるのです。
初手は 妻に「相談」する
十分な武器(情報)が手に入ったら、いよいよ妻に話を切り出します。ただし、「転職したい」と決定事項のように話してはいけません。 「最近、将来のことを考えて自分の市場価値を調べてみたんだ。意外と面白そうな選択肢もあって…一度、この情報を見て、一緒に話を聞いてくれないかな?」 「決定」ではなく「相談」として切り出すことで、妻は初めて冷静に話を聞く態勢が整います。
夫婦で「最初の小さな一歩」を決める
あなたが集めた情報を見せながら、夫婦で作戦会議を開きます。ここでのゴールは「許可」を得ることではなく、「じゃあ、一度プロのアドバイザーに、詳しい話を聞くだけ聞いてみようか」というように、夫婦で一緒に、次の「最初の小さな一歩」に進む合意をすることです。 妻をプロセスに巻き込み、「二人で決めたこと」にすることで、彼女は不安な当事者から、心強いパートナー、つまり「最強の味方」へと変わります。
妻を説得するのではなく、最高のパートナーとして、一緒に未来へ向かうための作戦会議に招待する。それこそが、あなたの逆転への、最も誠実な一歩となるでしょう。
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